窮地に追い込まれた私は冷静な判断力を失い、バカラでの一発勝負へ。今旅最大のベットにして、最大の危機が訪れる。
パラダイスカジノ・ウォーカーヒルで始まったバカラの本戦。初めこそ好調だったものの、途中からつまらないことで意地を張ってしまった私は、当初決めていた戦略をことごとく破り、完全敗北を喫してテーブルを後にします。
既に心は折れかけていましたが、このまま、負けたまま帰るわけにはいきません。私は半ばやけくそのような状態でふらふらとハイレートのテーブルへ。
そして負けを取り返すため、バカラとの勝負に決着をつけるため、私は一撃のMAXベットで勝負に挑むのでした。
前回はこちら↓
パラダイスカジノ・ウォーカーヒルで始まりを告げる、波乱のバカラ本戦
ミナト
海外旅行が趣味の兼業ブロガー。以前はカジノにハマるもギャンブルにはもう懲りて……? 現在は観光メインで旅行を楽しみながら、現地での体験や旅行に役立つ情報も発信中。いずれは海外を放浪する旅にも出たいと思っています。>> プロフィール詳細はこちら
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韓国カジノ旅行(2日目・後編2)
ウォーカーヒルでのバカラは楽しい雰囲気から一転、一人の中国人男性の乱入によって波乱が巻き起こり、変に意地を張った私は試合にも負け、勝負にも負けるという無様な姿を晒し、無情にもテーブルアウト。
この日、ここまでの収支は-110万ウォン(約11万円)。しかし一時は+80万ウォン(約8万円)までチップを増やしていたので、気分的には20万円近く負けたのと同じことでした。
そしてこの時、財布の中に入っていた残金は17万円。それを見た瞬間、禁断のフレーズが頭の中を駆け巡ります。
一発当てればなんとかなる……。まだ当てるだけの資金はある……。
ギャンブルにおいてはこれが最も危険な思考。しかしこの時の私は重度の病的ギャンブラー。ストッパーなんてものはとうの昔に捨ててきたのです。
取るか取られるか、それだけしかない……
サムライに「敗走」の二文字なし。考えるまでもなく、私の足は自然とハイレートのテーブルへと向かっていました。
一撃のMAXベットで勝負をかける
バカラではPLAYERの連続や、BANKERの連続を狙う「ツラ追い」という方法が大きく勝つための定石の一つ。しかしそれも言ってしまえば結果論であって、常に確率は五分五分です。
そしてこの時の私は冷静に考える判断力を失っている状態だったので、あのテーブルはPLAYERが何連しているとか、このテーブルはBANKERが何連しているとか、そんなことを考える余裕すらもありませんでした。
どう足掻いても確率は50%。そこに戦略なんてものはない……
おぼつかない足取りで吸い寄せられるように辿り着いたのは、ミニマムベットが30万ウォン(約3万円)以上のテーブル。
私は財布に手を突っ込み、ウォン紙幣を取り出そうとします、が……。
これ、もし負けたらどうするんだ……?
紙幣をチップに変えようとしたまさにその時、強烈な不安が私を襲います。
11万円の負けを取り返すためには最低でもそれ以上を賭けなければなりません。そして、今手にかけた有り金全てを失ってしまえば、ウォーカーヒルでの収支は-28万円。もしそうなってしまった場合、残った日本円全額でもう一勝負とならないだろうか?今ここで判断を誤れば全てが終わり兼ねないのです。
さらに言えば、今勝負の流れは完全に私にはありません。もがけばもがくほどさらに深みにはまるのは火を見るよりも明らかでした。負けて、負け続けて、それを取り返そうと最後に大きくでる。そんなもの、何度も使い古されたような鉄板の負けパターンじゃないか!
私の経験上このパターンに陥った場合はほぼ間違いなく負けてきました。9割以上、下手すれば9割5分以上。つまり、状況から考えて次のゲームで私が勝てる確率は10%以下とも考えられるのです!
しかし、自分の中での最後の説得も虚しく、負けを取り返せればそれでいい、それだけでいいということで、財布に3万円だけを残し、私は140万ウォン(約14万円)をチップに交換します。
弟がバカラのテーブルに合流
弟はポーカー(テキサスホールデム)をやっていたらしく、切り上げてきたところで私を見つけたようで、バカラのテーブルで合流。ちょうど私がウォン紙幣をディーラーに渡し、チップに交換している時でした。
これ、一発PLAYERにいくわ
まじで?いや、やめといたほうがいいでしょ。負けたらやばい
弟が忠告してくれるも私は止まりません。迷いはもうない、というよりも周りが見えていないのです。
この時他のお客さんがどこにいくらベットしているのかも見えていない状況。私は紙幣からチップに替えた140万ウォンをそのままPLAYERにベット。
ディーラーが私の前に絞る権利者を表すマーカーを置いたので、PLAYER側の最大ベットは私ということになりました。
ノーモアベット
ディーラーの合図でベッティングタイムは終了。PLAYER、BANKERと順にカードが配られ、いよいよ絞りの時。
これまで味わったことのないような緊張感。手に汗を握るというよりも、手汗がまとわりついて気持ちが悪い。
140万ウォンを賭けたバカラ一発勝負
PLAYERとBANKER両者に絞る人がいる場合、絞りの順番はPLAYERからです。ディーラーにカードを差し出され、先にPLAYERに最大額をベットした私からカードを絞ります。
まずは1枚目、悲願の絞り……。
横絞りから一気に行くとフォーサイド。1枚目は「9」。
絞る前は1枚目は何でもいいと思っていましたが、1枚目で「9」が確定すれば、2枚目に「10」以上を引ければほぼ勝ち確のナチュラル「9」が完成します。「10」以上が出る確率は単純に考えて13分の4で30.7%。
引くしかない、3分の1を引いてくれ……!
ピクチャーこい!!
勝負を決するかもしれない2枚目、渇望の絞り……!
まずは足がつく!ピクチャーを引くことはできませんでしたが、この場合の数字は「4~10」しかありません。
もしも横絞りでフォーサイドがくれば狂喜のナチュラル確。望みは薄いですが、それに賭けるしかない!
フォーサイド頼む!!!
しかし、2枚目はツーサイドで「4」!
圧倒的に不利な流れでそう簡単に奇跡は起きません。というよりもそのような流れで奇跡が起きた試しがない。
結局1枚目は「9」、2枚目は「4」でPLAYERは「3」という非常に怪しい結果で次の絞りはBANKERへ。
中国人の兄ちゃんがBANKERを絞る
BANKERを絞るのは中国人の若者。ここでBANKERの合計が「8」か「9」のナチュラルが出てしまうと私はその時点でDEAD END。3枚目を引けずに終了です。
まずはBANKERの1枚目、若者がカードを絞る……。縦から、そして横から、ジリジリと絞る……。
物凄く長く感じられる、というよりも、純粋にこの若者の絞る時間も長い。いっそのことディーラーがパッと2枚を同時に開いてくれた方がまだましでしたが、そういうわけにもいきません。そしてようやく開かれた1枚目のカードは「7」。
続いて2枚目、若者が絞る間私は無心状態。何も考えてはいけないと心を無の状態にしてカードが開かれるのをただ待ちます。
しかし2枚目のカードは案外あっさりと開かれ、「7+5」でBANKERは「2」。とりあえずは最悪の事態は免れることができ、勝負はファイナルラウンドの3枚目に突入します。
バカラの勝負は最終ラウンドへ
私がベットしたPLAYERの合計は「3」。ここで最も欲しいカードは最強の手である「9」となる「6」か、次点で準最強の「8」となる「5」です。
しかしこの時私は自身でも、今自分が鉄板の負けパターンの流れに乗っていることは薄々感付いていました。この何をやっても勝てない流れに乗ってしまうと、物凄い薄い所を引こうが、起死回生のチャンスを手にしようが、それらは全て鳴かず飛ばずで無駄に終わるということは、これまでの経験で痛いほど味わってきました。
つまり、私がこの勝負を制するためには「6」を引く以外はありえない。「5」を引いてきて準最強の「8」になったとしても、BANKERがそれを超える「9」になってしまう。それがどう足掻いても勝てない、負の流れが持つ特性。
私がやらなければならないことは「6」を引き、最低でも負けなし、勝ちか引き分けの「9」を完成させること。生き残るためにはそれ以外に道はありません。
頼む、まずは足!
ディーラーに配られた3枚目に私は手をかけます。最低でも足がつかなければPLAYERの合計が「9」になることはありません。
運命を決する、最後の絞り。まずは縦からカードを絞る……!
………………が、結果はピクチャー。
終わった…………
3枚目は無情にもピクチャーで「0」。PLAYERの合計は「3」。
この時、私は負けを確信。
実際にはここまでのBANKERの合計は「2」なので、「8~K」のいずれかが出ればPLAYER勝利となりますし、3枚目に「7」や「8」が出てPLAYERの合計が「0」や「1」にならなかっただけ最悪の状況ではなかったのですが、やはり最善を引けなかったこと、負ける流れに乗っているという事実が私に勝負を諦めさせました。
来たる、決着の時
最後に中国人の若者がBANKERの3枚目を絞ります。ゆっくり、ゆっくりと縦から絞り、PLAYERの合計数を一瞥。すると再びゆっくりと縦から絞り、もう一度PLAYERの合計数をチラッと見る。
続いてカードの向きを横向きに変え、絞り、再び一瞥。
敗北を確信している私からすれば、勝負に負けてベットした140万ウォン(約14万円)を失い、それまでの負けと合計して25万円を失うという結果を先延ばしにされているようなもの。
1秒1秒の待ち時間が、まるで心臓を万力でキリキリと、少しずつ押し潰していくかのように感じられます。
さぁ、トドメを刺しなよ。そのカードが開かれた瞬間、俺は終わりだ
しかし、若者はまだカードを開かない……。
何が起きているんだ?くたばりかけた人間をいたぶって楽しんでいるのか……?頼むからそのカードをさっさと開いてくれ!
それでも若者はまだ絞る……!!
もう耐えられん……
完全に負けを確信していた私は耐えきれずに席を立ちかけます、が……。
ちょっと待った!
席を立ちかけた瞬間弟に引き留められます。テーブルを見てみるとBANKERのカードが開かれている。その数字はなんと……。
ピクチャーで「0」。まさかのBANKERの合計は「2」。
プレイヤーウィン
は……?
完全に負ける流れの中で起きた奇跡的な勝利。しかし腑に落ちないのは先ほどまでの若者の絞り。
ピクチャーであればそんなに時間をかけて絞る必要はなかったと思いますし、中国人の若者にも負けを受け入れられないといった葛藤やドラマがあったのかもしれませんが……それ良くないよ、中国人の兄ちゃん。
何はともあれですが、私はこの一発140万ウォンの勝負を制することができ、無事に負けを取り返すことに成功。どっと疲れが出た私はここでこの日の勝負を切り上げました。
ウォーカーヒルでの収支結果
初めは順調に勝利を重ねて+80万ウォンまで行き、その後は一気に-110万ウォンまで転落するも、ラストの一発勝負を何とか制することができたことにより、この日のウォーカーヒルでの収支結果は+30万ウォン(約3万円)で終了。
とにかく負けなくてよかった。最後の一発勝負で50%を外さなくて良かった……。安堵感よりも、精神的な疲れの方が大きく感じられます。
勝負を切り上げた私は休憩所で父と合流し、休憩所の台で疲弊しきった体を手で支えながら、この日起きたことの顛末を話していると……。
きたぜ、ぬるりと……?
台についた手にぬるりとした感触。まさか、これは……!
中国人の唾じゃねーか、これ!
(参照:ルーレット必勝法をカジノで実践した結果は果たして……!?【完結編】)
もう散々な一日でした。とにかく疲れました。
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