本業の仕事を辞めるのは副業が軌道に乗ってから、というのはセオリーですが、ケースバイケースでもある気がします。
やりたいことがあって、いますぐにでも仕事を辞めたいけれど、生活のために辞められない。好きなことを仕事にしたけれど、いやな部分ばかりが見えるようになってきて、ほかに興味のあることをしたくなってきた……。
働いていれば、あれこれ思う部分はなにかしらは出てくるものだと思いますが、本業と副業がある場合、「本業の仕事を辞めて副業に専念すれば、そのうち副業だけでも生活できるほど稼げるのではないか」ということは、いちどは頭をよぎったりもするのではないでしょうか?
私の場合でいえばそれはブログで、ブログの運営作業に集中する時間がほしくて仕事を辞めました。が、ふたを開けてみれば、これがもう大変。2~3か月もすると、仕事を辞めたことでしか見えてこないデメリットばかりが見えるようになってきたのです!
しかしながら、これはのちに、メリットを得られるかどうかは結局は自分しだいで慣れもあるということも判明したので、今回は、やりたいこと(副業)のために仕事を辞めるメリット・デメリットや、どのような状況ならアリで、どのような状況ではナシかといったタイミングの判断を、最終的にはアリだった私の経験をもとにお話しします。
私が本業の仕事を辞めることにした経緯
私はもともとバーテンダーの仕事を本業としていて、それだけでは生活していけなかったことから、日中もべつの仕事を掛け持ちし、それでなんとかやりくりをしていました。しかしあるタイミングで感じたのが、その生活の限界。
バーの仕事は労働条件がわるく、いくら働いていても、その日暮らしのようなお金しか得られず、その生活を何年とつづけていても、状況がよくなることはまったくもってなかったからです。
そこで私は、そのような生活から抜け出す目的もあって、副業としてのブログを始めたのですが、ここで問題となったのが、寝る時間もまともに取れないほどの働きづめの生活では、ブログを運営する時間を確保できないということでした。
やれる「時間」さえあれば……
そう、私には、自由に使える時間が必要だったのです。
いずれは独立するつもりでいた私は、そのための準備資金をかせがなければなりませんでしたし、独立するまえにしておきたいことを実現させるお金も必要でした。そしてそれをなす可能性は、本業ではなく副業にこそあると思われ、副業に専念する時間さえあれば、すべての問題は解決するのではないかと。
そうなると、1日の時間にむだが多すぎるようにも感じてくるもので、ついには私は、働きに行く時間さえももったいないと感じてくるようになってしまったのです!
そんなわけで、日中の仕事だけはそのままに、私は長年働いてきたお店を辞める決意を固め、晴れて自由の身となりました。
のどから手が出るほどほしかった時間がようやく手に入る。なににも代えがたい価値を持つ時間が……。こんなにすばらしいことはない!
私の目の前は、このときはまだ、希望であふれていたのです。
私がバーの仕事を辞めた理由
→約7年バーテンダーとして勤めた私がバーをやめることにした理由【全部話す】
バーテンダーの懐事情はこちら
→【月収例】バーテンダーは儲かる?給料や年収などの懐(収入)事情を紹介
副業のために仕事を辞めて生じたデメリット
当時の現状では、そのまま仕事をつづけていても未来がひらけるとは思えず、ブログ(副業)から得られる収益はまだほぼ0円だったというのに、私は可能性を優先して本業の仕事を辞めました。
これにより、1日のあいだで自由に使える時間は爆発的に増え、すぐにでも副業は軌道に乗る……かと思われましたが、まずはここで、想定していた以上のデメリットに直面。
ここではさきに、私が感じた、本業の仕事を辞めるデメリットからお話ししておくことにしましょう。
1. 収入などの生活費問題
私の場合はおもに生活費のため、掛け持ちで仕事をしていたわけですが、本業の仕事を辞めるとなると単純に収入が半減するわけで、副業のほうから収益が発生してくれなければ、生活を維持していくのは不可能に近いものと思われました。
ところが、副業に専念できる状況になっても、しばらくは副業から得られる収入は横ばいでほぼ変わらず。
そう、時間さえあればなんとかなると思っていた副業は、そんな簡単には軌道には乗ってくれないことが判明したのです!
あたりまえといえば、あたりまえのことかもしれませんが、やりたいことのために仕事を辞めるのであれば、そこからある程度の収益がすでに発生しているか、希望的ではなく確信的な見通しが立つ状態でなければ、その選択は逆にわるい結果をまねくこともあるといえるのかもしれません。
ちなみに、当面の生活費をかせごうともくろんだ、海外カジノへの突撃も失敗しました。
収入半減の生活を維持した方法
→【内訳】年収200万、手取り13万以下でも一人暮らしの生活を維持できたワケ
貯蓄を賭けてカジノに突撃した結果
→ 生活費を稼ぎに行け!韓国カジノ旅行は破滅の2nd Stageに突入【ブログ旅行記】
2. やる気や気力の低下問題
仕事を辞めたデメリットでもっとも大きいと感じたのが、この、仕事を辞めたあとでのやる気や気力問題。
人が前に進もうという想いを押し上げる原動力というのは、「希望」または「怒り」の感情が大きく関係しているものと思われます。
目標の達成や成功、充実した日々を過ごしている自分、その未来を想像する、といった希望をいだくとき、私たちの脳内ではドーパミンという物質が放出され、「報酬系」と呼ばれる部位が活性化。これにより、目先の欲求をおさえ、困難に立ち向かえる(気力が上がる)ようになったりもします。
一方で、夢も希望もない状況から絶対に抜け出してやるとか、どうしてこんな待遇のわるい環境で、といった怒りの感情は、自分のなかにある反骨心を奮い立たせるため、これも大きな原動力に。
「人間の脳は嫌なことほど記憶に残りやすくできている」、というのは、どこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
これに関しては、おなじ失敗をくりかえさないため、あるいは危険を回避するための生存本能が関係している、ともいわれますが、いずれにせよ、そういった負の感情は記憶にのこりやすく、なおかつ感情の持つ力も大きいことから、呼び出しやすくて気力にも変換しやすいなど、起爆剤としてはひじょうに優秀なのです。
正の感情である希望さえ失わなければ、負の感情である怒りの暴走はおさえられ、私たちがわるい方向に行かないように、いい方向に行くようにと補正してくれる……。
ようは、正負の感情が混じり合ったときにこそ、人は最大限の気力を発すると思うのですが、なにがいいたいのかというと、私は雇われていたお店を辞めたことで、後者の怒りの感情がきれいさっぱりと消え去ってしまったのです。
ストレスは人生のスパイスである
私が雇われていたところは、お店をよく知るお客さんからも「よくここまで耐えましたね」といわれるほどの労働環境で、私の怒りはたまりにたまっていました。
どれだけ疲れていても、なにかを思い出すだけで気力が全回復するような、そんな環境が私の職場でした。
しかし、仕事を辞めたことでストレスから解放された私は、片方の原動力を失うこととなってしまい、加えて思ったように結果が出ない状況では、希望だけで気力を維持することもむずかしく、なかなかやる気が出ない(最大限の気力が発揮されない)状態となってしまったのです!
ところで、「ストレス」という言葉の生みの親であり、ストレス学説を唱えたカナダの生理学者、ハンス・セリエ博士がのこした有名な言葉に、以下のものがあります。
「ストレスは人生のスパイスである」ハンス・セリエ
これはもう、まちがいはない言葉でしょう。
仕事を辞めてしまうと、ストレスから解放されることによって気力が落ちる。ある程度のストレスがあるからこそ、人は前に進もうと思えるのです。
職種や雇用形態にもよりますが、できることならすっぱりと仕事を辞めてしまうよりかは、週1だけなど、すこしだけでもつづけていたほうが、やる気の維持にも収入的にもいいのかもしれません。
3. 有り余る時間問題
私の場合、バーの仕事で1日の約半分を使っていたため、仕事があった日はそのぶんだけ自由な時間が増えたのですが、増えた時間をすべて副業に費やせたのかというと、これもそううまくはいきませんでした。
なにもせずにゴロゴロしたり、食べたいものや飲みたいものを食べ飲みしてそのまま寝たりと、毎日夜は時間があるとなると、とくに食欲を満たしたくなるもので、あれだけ副業のためにほしかった時間が手に入ったというのに、思っていたようには時間を使えない。
結局のところ、人間はないものねだりで、手に入れば満足してしまう生きものだということなのでしょうか?
朝からの仕事はつづけていたので、決まった時間に起きるサイクルは維持され、それによって生活リズムが崩壊してしまうようなことはありませんでしたが、すべての仕事を辞めて完全に自由の身にでもなっていたとしたら、私はかなりあやしいことになっていたかもしれません。
時間はあればあるだけ効率が下がり、なければないだけ効率が上がる。
やりたいこと(副業)のために仕事を辞める場合は、空いた時間をフル活用するのは、とくに最初はむずかしいとも思われます。じっさいにやりたいことのために使える時間は、仕事を辞めてしばらくは、よくて空いた時間の半分程度と考えておいたほうがいいのかもしれません。
仕事を辞める&副業に専念することで得たメリット
ここまで致命的なデメリットばかりをあげつらってきましたが、結局のところ、どれもこれも最初だけの話であって、すべては時間が解決してくれました。
そう、すべてのデメリットは一過性のものであって、そこを越えてしまえば(慣れもあったのかもしれませんが)、メリットしかなくなっていたのです!
では、副業に専念するために仕事を辞めたことを、正直いうと後悔していた時期もあった私が、どのようにして「デメリット → メリット」に変換できたのかという話を、ここではしておきます。
1. 副業の収入は続けていれば勝手に上がった
貯蓄を賭けてカジノでお金を増やしにいくという、わけのわからない行為によって、いっときはほんとうにその後の生活資金がなくなってしまっていた私でしたが、これはジワジワと解決していきました。
とりわけブログの場合、収益を上げるのに時間がかかります。しかし、いちど収益が発生しはじめれば、3000円から5000円、5000円から1万円、1万円から3万円……と、段階的に上がってもいくもので、やればやっただけの結果が出ます。
そうなることがわかっていたからこそ、私はほぼ収益0でも仕事を辞めることにしたわけですが、これは想定以上に上がるスピードが遅かった、というだけの話でもあったのかもしれません。
それからも資金切れのピンチは何度かありましたが、結局すべてなんとかなりました。人生はなんとかなるということです。
2. 義務感が出ることでやる気は関係なくなった
日中もつづけてた仕事はとくにストレスを感じる仕事ではなかったことから、本業の仕事を辞めた私は、ほぼ完全にストレスフリーの状態になっていて、たしかにそのせいでやる気の低下問題には直面しました。
ところが、しばらくすると、こんどはなにもしていない(ブログの更新作業をしていない)状態が気持ちわるいように感じられるようになってきて、逆に、なにもしないことができないようになっていったのです。
これは、筋トレをする人が、「筋トレをしない日があると気持ちわるい」といっているのとおなじようなことなのかもしれません。
自分の人生にとってプラスになることを、いっさいしないままおわってしまう1日の気持ちわるさ。これに耐えられなくなり、やる気のあるなしとは関係なく、ある程度は義務感で作業をするようにもなりました。
いわゆる「作業興奮」というもので、手を動かせば、勝手にやる気も出てくるというものですよ。
いわゆる作業興奮の詳細はこちら
→【ブログ】完全にやる気が出ない時のための気力を強制回復させる5つの技
3. 時間は趣味などで有効に使えるようになった
仕事を辞めて空いた時間は、だいたい夕方の4~5時から深夜の2~3時までで、このあいだの時間を私は有効活用できるようになったわけですが、まずはよく運動をするようになりました。
副業のブログは体を動かさないので、もともと肉体労働派の私にとっては、それだけでは食事・お酒をおいしく食べ飲みすることができず、食欲を最大限に満たすことができなかったからです(日本人は世界的に見ても食欲がかなり強いそう)。
また、これまではあまりにも時間がなかったことから、もともとは好きだった読書をする時間も取れなかったのですが、こちらも空いた時間で楽しむことができるようになりました。
運動をすることで肉体的・精神的な健康を維持することができ、読書をすることで、ブログの運営作業にとってもプラスになることは多く、やはり時間に余裕があることはすばらしいことだと痛感。
時間がありあまる問題は、結局は使い方しだいでどうとでもなった、ということです。
仕事を辞めるタイミングとアリかナシかの判断基準
ここまで、本業の仕事を辞めて副業に専念するメリット・デメリットを見てきましたが、最後に、それらをもとに、仕事を辞めるとするとベストなタイミングはいつで、本業を辞めるのはアリなのかナシなのか、ということについて考えてみましょう。
「仕事を辞めるのは副業が軌道に乗ってから」と、よくいわれるように、仕事をいきなり辞めてしまうと、収入がゼロになってしまって、生活が立ちゆかなくなることもあることから、たしかにそれはそうだといえると思います。
ただし、私のように本業以外にも仕事があって、べつからも収入がある状態なのであれば、ひとまず副業から発生する収入がほとんどなかったとしても、とりあえずは生活できたりもします。
「副業(収入あり)+副業(収入なし)」のような状態で、収入ありの仕事でなんとか生活はしていけそうなのであれば、どのタイミングで本業の仕事は辞めてしまっても、意外となんとかなるのかもしれません。
また、そもそも本業の仕事を辞めるのはアリなのかナシなのかについては、すくなくはないデメリットもありますし、副業が鳴かず飛ばずでおわってしまう可能性もあることから、はっきりとしたことをいうのはむずかしいともいえます。
とはいえ、その仕事をその状況のままつづけていて自分が納得できるのか、というのは重要な判断基準になるのではないでしょうか。
仕事の内容や待遇などに不満があっても、これはしかたがないとあきらめて受け入れることで、自分の人生に仕事以外の未来が見えるのなら、それはそれでわるくはないと思いますし、それが仕事というものでもあると思います。
しかし、不満を受け入れたにもかかわらず、なんの未来も見えないのであれば、結果はどうあれ、玉砕覚悟で突っ込んでいくことで、自分が納得できる道をえらんだほうがいいともいえるのではないでしょうか?
人は死を目前にすると、後悔することが多いといいますが、そのなかに、「やりたいことをやらなかった後悔」があるというのはよく聞く話です。
自分の心に正直になり、なにがしたいのかを考え、それに向かって進んでいけるのかどうかというのは、ひとつの大きな判断基準として、考えてみてもいいかもしれないですね。
今回のまとめ
・気の持ちようと慣れによってはデメリットはメリットに変わる
・自分のやりたいようにするのがいちばんなのかもしれない
仕事は辞めたいと思ってしまうと辞めることしか考えられなくなりますし、やりたいことがあるのであれば、それはなおさらだと思うのですが、辞めることにしたとすると、とくに最初の生活が変化する慣れないうちは、理想と現実のギャップに面食らってしまうこともあるかもしれません。
とはいえ、やりようによっては、デメリットを打ち消して、それらを思っていたとおりのメリットに変えていくこともできると思います。
もっとも大切なのは、うまくいかなかったとしても、その状態を悲観せず、どうすればうまくいくかを考えつづけること。それができたからこそ、私は副業のブログを、なんとかかたちにしていけているのではないかと思います。
人それぞれの事情があるので、仕事を辞める辞めないは、一概にはどちらのほうがいいとはいえませんが、自分はなにがしたいのか、ということは、重要視してみてもいいのではないでしょうか?
副業としてブログを運営するのもあり
→【準備】ブログを始める前に内容(何を書くか)や運営方針を決めておこう
ブログの立ち上げ方はこちらから解説!
→【登録】ロリポップ・レンタルサーバーでのブログの始め方と申し込み手順
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